「総天然色」
国際ロータリー第2630地区
2019-2020年度
ガバナー 辻󠄀 正敏
©Rotary International
国際ロータリーのテーマを、2017-18年度「Make a Difference」(変化をもたらす)、2018-19年度はビジョン声明を打ち出すと共に「Be The Inspiration」(インスピレーションになろう)を掲げました。そして2019-20年度国際ロータリー会長のマーク・ダニエル・マロ―ニーさんはテーマを「ROTARY Connects The World」(ロータリーは世界をつなぐ)としました。
ここでビジョン声明を確認してみましょう。
「私たちロータリアンは、世界で、地域社会で、そして自分自身の中で、持続可能な良い変化を生むために、人々が手を取り合って行動する世界を目指しています。」
少し難しい話です。ロータリーは、その定義を「中核的価値観」としました。親睦、高潔性、多様性、奉仕、リーダーシップです。これは不変であります。それをわかり良くしたものがビジョン声明です。これを展開していくために戦略計画を立てました。4つの優先項目です。より大きなインパクトをもたらす、参加者の基盤を広げる、参加者の積極的なかかわりを促す、適応力を高める。
具体的にマローニーさんはスピーチの中で、「GROW ROTARY」の言葉を使いました。昨年度過去最大の退会者を出したそうです。会員の減少は、組織としては大変な問題で、職業分類を強化して会員を増やし、新しいクラブを作らないといけない。そして子供たち、若い人たちをもっと大切にしなければいけない。ロータリーのリーダーシップの道をもっと歩きやすくしなければいけない。そして国連などと手を組むことも必要と考えています。増強や拡大でなく、成長することが大切だと言っているのです。
難しい話は止めましょう。簡単に言えば、2019-20年度には、日々のロータリー活動を通じて、より多くの人々が手をつなぎ、より良い変化のために、さらに心を一つにして行動しましょうと言っているのです。
このような話もありました。「仕事をしながらガバナーができなければいけない。形式的で無意味なクラブ訪問などいらない。もっと家族、仕事、ロータリーのバランスを考えよう」。
「GROW ROTARY」は、単に会員を増やそう、組織を大きくしようと言っているのではなく、きちんと続いていくように(持続性)、成長していきましょうと言っているのです。公共イメージや認知度の向上もその一つです。
国際ロータリーは、日本人が大切にしてきた「職業奉仕」の観念を捨ててしまったと言われます。マローニーさんの話を聞くと解釈は変わります。職業というものの大切さは全く変化していません。むしろ前述にもあるように、もっとよく考えてと言っています。表現の違いでしょう。日本人はきちんとこれはこれ、あれはあれと一つずつ分類して、それぞれの関わりを大切に考えます。世界の標準はどうもそのようではないようです。大切なことはよくわかるが、一つ一つをきちんと理解して、その繋がりを整理している時間はないようです。良いことは、家族にも、仕事にも、ロータリーにも良いことです。奉仕することは良いことです。ですから仕事も世の中の役に立つために奉仕する良いことです。彼らは社会奉仕と呼ぶだけです。それが証拠に、外国人でもきちんとした自己紹介には自分の仕事は何であるかを告げるでしょう。
そして青少年に関すること。この協議会は史上初めてローターアクトを正式に招きました。世界から60人。日本から3人です。マローニーさんが若い人たちに寄せる期待がわかります。青少年プログラムでは世界中でいろいろな問題があります。しかし未来のロータリーを語る時、青少年プログラムは避けて通れないものです。諸問題を真正面で受け止め、諸問題に対する認識と対応力を十分持って取り組まなければなりません。「そんなに難しいなら取り組むのは止めましょう」との考えもあるでしょう。しかしそれではロータリーではなくなってしまいます。「船は港に居れば安全です。でもそれでは船本来の役割を果たしません」。適切な例えです。
そのような話を受けて2019-20年度の国際ロータリー第2630地区のテーマを「総天然色」とします。すべてのロータリアンが(総)、それぞれの空の下で(天)、しっかり思いを込めて行動し(然)、それぞれの色を醸し出す(色)です。
国際ロータリー事務総長のジョン・ヒューコさんの話の中に、アップルになるのか、コダックになるのかとの問い掛けがありました。アップルは前進を続けています。コダックは無くなってしまいました。これはイノベーション(技術革新)とフレキシビリティ(柔軟性)の問題ではないか。ヒューゴさんは言います。そしてロータリーはアップルでなければと。ロータリーは、常に時代の変化を取り入れ、柔軟さを持ちながら、よりよい変化のために奉仕していく持続可能な組織としてあると言えるでしょう。
それぞれのクラブが、それぞれの地域の独自性を保ち、更に広い範囲で世の中でのより良い変化を目指しながら、人々が手を取り合って行動を始めましょう。具体的な地区の目標としては次に掲げる通りです。
地区テーマ
「総天然色」
具体的目標
(国際ロータリー及び国際ロータリーのロータリー財団の目的を持って)
- 組織の維持を考えた会員増強と拡大(ロータリーをなくさないために)
- ロータリー財団に対する理解の増進(世界中でよいことをするために)
- 青少年プログラムへの積極参加(未来のロータリアンのために)
- 国際ロータリー及び国際ロータリー会長賞への挑戦(今の活動評価のために)
1年間ではありますが精一杯努めます。一緒に成果を出しましょう。
プロフィール
生年月日 | 1951年(昭和26年)11月29日生れ |
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職業 | (株)辻󠄀工務店 代表取締役会長 |
学歴 | 日本大学 生産工学部 建築学科 卒業 |
所属クラブ | 津ロータリークラブ |
略歴
1975年 | (株)辻󠄀工務店 入社 |
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1977年 | (株)辻󠄀工務店 代表取締役社長就任 |
2016年 | (株)辻󠄀工務店 代表取締役会長就任 |
公職
(社)三重県建設業協会 理事 |
津商工会議所 副会頭 |
(社)三重県法人会連合会 監事 |
ロータリー歴
1980年 | 津RC入会 |
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1989〜1990年 | 津RC幹事 |
1999〜2000 | 津RC会長 |
2001〜2002年 | 中勢・伊賀グループ ガバナー補佐 |
2005〜2006年 | 地区代表幹事 |
2013〜2016年 | 地区ロータリー財団部門 資金推進小委員会委員長 |
2016〜2018年 | 地区ロータリー財団部門委員長 |
2017〜2018年 | ガバナーノミニー |
2018〜2019年 | ガバナーエレクト |
マルチプル・ポール・ハリス・フェロー |
ポール・ハリス・ソサエティ |
2013-2014年度 クラブビルダー賞 |
米山功労者(マルチプル) |